ブラジル連邦共和国は、人口については若年層ほど厚みのある正三角形なので、今後とも労働人口が増えることが予想されます。農業、工業、資源と産業のバランスが良いのが魅力。GDPを押し上げている一番の理由が内需であり、値上げによる個人の所得の増加とともに消費も拡大しています。また、2010年は大型油田が相次いで発見されたお影で経済成長を後押しする出来事が重なりました。資源も多く中国向けの鉄鉱石輸出などが成長を支えています。一人当たりGDPも1万ドルもなく、先進国と比べれば伸びしろが大きく労働人口は20年頃までは伸びる見込みです。一方で1月に就任するルセフ新大統領の政策が注目点になります。海外マネーをうまく取り込むかバブル封じのために財政や金融の引き締めを行うか当面の株価に悪影響を与える懸念があります。後ここは税金が高く金融取引税については影響が未知数です。
人口:1億9148万人 労働人口構成:第三次産業66% 第二次産業14% 第一次産業20% 失業率6.8%
今後の注目スケジュール:2014年サッカーW杯、2016年リオ五輪
参考指数:ブラジル ボベスパ指数
ロシア連邦は、人口は92年の約1億5000万人をピークに減少しております・日本よりも人口減少が進んでおります。第三次産業中心で、輸出額の7割をエネルギー資源が占める国です。石油、天然ガスなどのエネルギー輸出に依存しているといってもいいでしょう。よって原油価格が上がればロシア経済も拡大するという分かりやすい構造の国です。新興国の石油需要は伸びる一方で、世界10大油田の採掘量は減少する見通しなので需給はますます逼迫していくことは間違いないと思います。但し、資源以外の産業が特段育っていないことや極東ロシア等の経済的に遅れている地域の開発など課題も抱えていますね。原油価格が1バレル100ドル位まで上がれば順調に上がっていき200ドルになったらブレイクする可能性はあると思います。一方で民主的とはいえない政治体制や政権交代しても経済政策がどう動くか読めないため政治リスクも看過できません。資源依存の産業構造から如何に脱出できるかも重要なポイントかと。
米国の航空機メーカー・ボーイング社は、ソ連崩壊後スホーイやツポレフからすぐさま元社員3000人を雇い航空機の設計をロシアでやらせていますし、半導体メーカーインテルも米国と同数程度の設計者をモスクワ郊外に置いておりエンジニアは結構います。
人口:1億4190万人 労働人口構成:第三次産業58.1% 第二次産業31.9% 第一次産業10.1% 失業率8.2%
今後注目のスケジュール 特になし
参考指数:ロシアMICEX指数
インド共和国は、人口ピラミッドが正三角形であり、今後労働人口が伸びていくことは間違いない国ですね。GDPに第一次産業が占める割合はせいぜい17%程度だが労働人口は50%以上います。非効率な農業から製造業への転換が求められていることはあきらかですね。ひとり当たりGDPも1000ドルちょいとBRICsの中でも最も小さいのですが、人口が10億人もいます。また、個人消費がGDPの6割を占める内需主導型の国です。インドといえば先進的なIT企業を
思い浮かべる人が多いかと思いますが、実際は農業が大きなウェートを占める国です。 また農業は製造業やサービ業と比べると付加価値が低いですし、かつ、天候に左右されるため干ばつや洪水でGDPの伸びが大きく下がることもあります。
インドは今後も労働人口が増え続けるでしょうから、しりあがりに勢いづく可能性はあります。農業から製造業への転換をはかるには人材の育成が重要なポイントですが、識字率は低く、国は教育に力を入れていますがまだ完全には行き届いていないみたいですね。しかし、中国、東南アジアや中東、アフリカ向けの製品輸出は年々拡大しております。製造業がのびていけば、これから中国を追いかけていく可能性が十分あるといえます。
人口:10億3700万人 労働人口構成:第三次産業34% 第二次産業14% 第一次産業52% 失業率不明
今後注目のスケジュール 2014年総選挙(下院)
参考指数:インドSENSEX30種
「中国(china)」 ゴールドマンサックスレポート
中国は、人口の内10歳未満が極端に少なく、まもなく労働人口の増加がピークを迎えます。一人当たりの生産性を向上させることが今後の課題となっていきそうですね。まあそうはいっても10年も10%成長している国ですし、労働人口が頭打ちになるとはいえ、7%代の成長は続けていくのかなと。また、中国は個人消費等の内需がGDPにしめる割合が3〜4割と低く、以下に消費を拡大するかが今後の課題となりますが、ここをてこ入れできれば13億人の消費が活発になって長期に渡って安定的な成長が期待できる国だと思います。2011年は「第12次5カ年計画」のとスタートの年ですが、今回の計画で中国は貧しい農民の富の分配をおこない消費を促していこうとしております。米国の批判をかわしながら人民元は安く抑えており未だに輸出や投資主導の経済ですが、これが消費型の経済構造へ転換できれば株価の上昇期待も持てるかと。
人口:13億3473万人 労働人口構成:第三次産業33.2% 第二次産業27.2% 第一次産業39.5% 失業率4.3%
今後注目のスケジュール 2011年「第12次5ヵ年計画」、2013年胡錦現政権から習近平新新政権へバトンタッチ
参考指数:上海総合指
ベトナム社会主義共和国は、人口の内10代が最も多くこれから働き盛りの世代が増えるといえます。また、労働人口に占める第一次産業の割合が5割以上と高く製造業へとシフトしていくことで所得も伸びていくと予想されます。ひとり当たりGDPは1000ドル程度とまだまだ成長の余地の大きい国ですね。10年のGDPの伸びもGDPの6割を占める個人消費のおかげです。所得の増加、中間層の台頭とともに家電や自動車、高級ブランド品などの消費が伸びており、携帯電話の普及台数は1億台以上と、すでに総人口を上回ったりしています。ベトナムは中国の賃金の1/2〜1/3程度であり今後さらに豊かになれば消費がますます加熱する期待が大となります。また、国連の予想ですとベトナムの人口は2040年までには1億人を突破し日本の総人口を抜くと言われています。ベトナムの個人消費も後30年伸びる可能性はあるわけです。しかし、加熱する消費はインフレの進行や輸入の増加による貿易収支の悪化といった副作用も産んでいます。貿易赤字を補うために外貨準備をはきだし、財政への悪影響が嫌気されて通貨価値の下落が進行するという悪循環が起きています。インフレ懸念からが外国資本が入りにくくなっており、財政や通貨政策の抜本的な見直しが今後のベトナム政策の課題と言えそうですね。
人口:8579万人 労働人口構成:第三次産業32.7% 第二次産業15.4% 第一次産業51.8% 失業率4.6%
今後注目のスケジュール 2011年ベトナム共産党大会(新政権の顔ぶれ決定)
参考指数:ベトナムVN指数
インドネシア共和国は、人口は若年層に厚みのあるきれいな三角形をしています。また、ひとり当たりのGDPが09年で2329ドルから15年には約2倍の4440ドルまで伸びる見通しですので、旺盛な個人消費が活発化していきそうです。大小1万7000の島からなるインドネシア。国土面積はBRICsより狭いが、人口は世界4位。インドネシアの経済を支えているのはこの巨大な人口による消費です。通貨ルピアの上昇などに後押しされて、GDPの約7割を占める個人消費が盛り上がり、経済成長率は9年の4.5%から10年の6%まで上昇した。個人消費などの内需に引っ張られる経済は、世界経済の不審に影響されにくいのが強みとなります。インドネシアでは所得の増加とともに中間層の厚が増しており内需が活性化することが期待されるわけですね。また、石油や鉄鉱石、石炭、天然ゴムなどの資源に恵まれていることも今後が期待できる大きな理由です。但し、国内に大規模な石油精製施設がないため、原油はとれるけどガソリン等の石油製品は外部の輸入に依存しており、それが対外的な収支の赤字にむすびついてしまっています。そのためインフラをきちんと整備していくことが、インドネシアの今後の経済発展のためには不可欠となりますね。
人口:2億3137万人 労働人口構成:第三次産業39.3% 第二次産業18.6% 第一次産業42.1% 失業率不明
今後注目のスケジュール 2014年大統領選挙
参考指数:ジャカルタ総合指数